15節・2P
2人は次の日の夜、ラーメン屋でラーメンを食べた。
「ここのラーメン美味しいのよ」
千絵に元気がないのは、解消していた。最近明るくなったり、暗くなったりと変化が激しい。やはりパパに出会えるまでは、元気を取り戻せないのだろう。
「今日は、千絵にいい報告があるのよ」
「あー、豪邸行って、何かパパの手がかり判ったのね?」
千絵は目を輝かせた。
「パパの手がかりは判らなかった」
亜紀子は元気ない口調でハッキリ言った。
「あー」
千絵は明るさを失い、ポカーンとした。
「でもビックニュースなんだ。あそこの会社潰れそうなんだって」
亜紀子はラーメンをすすりながら言った。しかし千絵はラーメンを食べる手が止まった。
「えー!」
千絵は静かに驚いた。自分が居候していたときは、そんな話を聞いてなかったから、1ヶ月で事情が変わったのに驚いた。
「いい気味だね」
亜紀子は美味しそうにラーメンを食べた。
「後藤家も、私と同じ人生を歩むんじゃない?」
千絵は心配そうな顔をしていた。
「千絵にひどい事したんだから、当然の仕打ちよ」
亜紀子はきっぱり言い放った。
「でも、お世話になった家だから、私のように不幸になって欲しくないのよ」
「あなたの彼氏取ったんでしょ。気にしなくていいよ」
元気のない千絵に対して、亜紀子はハッキリ言った。そのとき千絵は、彩子の事を思い出した。
「今頃、彩子どうしているのかな?私が結婚式のスピーチで、ひどい事言わなければよかった」
そう言うと、涙を流した。
「何言ってるのよ。彼氏取られたんだから、当然の事をしただけよ」
「そうだけど」
「あなた優しすぎるのよ。泣いてたらラーメンまずくなるよ」
「でも、どうして、会社潰れそうなこと知ってるの?」
「近所の人が噂しているのを立ち聞きしたのよ」
亜紀子はあっけらかんとしているのに、千絵は悲しそうだった。千絵は嬉しい反面、10年以上、一緒に暮らした仲なので、自分の周りの人が不幸になっていくのが辛かった。