12節・5P


「今日で退院よ。ほんと大したことなくて良かったよ」

 腕に巻かれた包帯が痛々しそうで、千絵の顔が冴えなかった。

「もっと喜んでよ」

「私、行く所無いの」

 千絵は、ぼそりと言った。

「じゃ、うちにおいでよ」

 亜紀子はあっけらかんと言った。

「いいの?」

 嬉しさがこみ上げた。そんな事を言ってくれるとは、想像してなかったから、尚更嬉しかった。

「丁度1人で寂しかったのよ」

 そう言うと亜紀子も喜んだ。


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