12節・2P
千絵が目を覚ますと病院のベットの上にいた。
「あれ、ここ何処?」
少しずつ記憶を探っていった。結婚式のスピーチをした事、式場を飛び出した事、街をさまよっていた事、自殺を図った事、1つ1つ映像が蘇ってきた。
そこに看護婦が入って来た。看護婦は若く、千絵と同じくらいの年だった。
「目を覚ましましたね。注射打ちますからね。これで大丈夫よ」
看護婦は千絵の腕に注射を打った。その間、千絵はボーとしていた。
「看護婦さん、私どうやってここに?」
「昨日、救急車で運ばれてきたのよ。運ばれてきたときは、出血多量で、もうダメなんじゃないかと思われたけど、輸血したら何とか一命は取り留めたみたい」
千絵はポカーンとしていた。あれから1日経っていたのかと思った。
「でも自殺するなんて、相当何かに悩んだみたいね。また時間あるとき、聞いてあげるわ」
看護婦はにこやかだった。千絵は手首にナイフの歯を入れたことを思い出し、慌てて自分の腕を見ると、細い腕に包帯が巻かれ、急にジンジン痛んだ。
「すぐ治るわよ」