10節・5P
千絵は彩子が帰ってくるのを部屋で待っていた。彩子が帰ってくると、千絵は彩子の部屋に入った。
「松本さんとは、どうだった?」
千絵は心配そうに聞いた。
「千絵が黙って帰ったから怒っていたわ」
「だって彩子がそうしろって言ったから」
「松本さんとは上手くしといたから。もう連絡もしないでね。電話かかってきても、絶対でないでね」
彩子は強く言い放った。彩子の優しさのかけらも感じない対応に、千絵は悲しくなってきた。普段は優しいのに、人の物を欲しがるときは、人が変わったようになってしまう。