7節・2P
千絵は授業を終え、校門を抜けると、背中に背負ったリュックサックを揺らしながら、校門の前の坂を走り下りていた。リュックサックを揺すりながら、走る姿は、かわいらしかった。
この日、千絵は妙に喜んでいた。昔の自分に戻れるのではないかと言う期待感で、笑顔になっていた。そして、そんな矢先に幸せが訪れたのだ。
「お姉さん何か落としましたよ」
坂を下っていると、男の人に声をかけられ、千絵は立ち止まった。後ろを振り向くと男の人が、ハンカチをもって立っていた。喜んで、走っていたので、ポケットから落ちたみたいだ。
「あ、すいません」
明るく言うと、男は追っかけてきてくれ、手に渡してくれた。男は、かっこよく、爽やかなマスクに、カールした髪、目のパッチリした人だった。薄手の白のジャケットを羽織っていて、爽やかに映った。
男からハンカチを受け取るとき、目が合い、見つめあった目を暫く、離すことが出来なかった。
「素敵。こんな素敵な人が、うちの大学にいたのね」
心の中でそう言うと、目はハートマークになっていた。