6節・1P
2人は高校3年生になっていて、もうすぐ大学受験を控えていた。千絵と彩子は違うクラスになり、昼食の時、千絵は友達どうしで机をくっつけて、お弁当を食べていた。
「ねえ、千絵はどこの大学受けるの?」
「私、大学行けないわ」
「どうして?」
「居候の身分だから、働かないと」
「彩子の家でしょ。あの子の家、金持ちだから、そんなの気にしなくていいんじゃない」
「でも、そんなこと言えないわ」
千絵は俯いて喋り、未だにうち解けてない家族に遠慮していた。
「私なら、気にしないけどな。そんなこと気にしてたら、損するよ」
「私2年の時、彩子と友達だったから、言ってあげるよ」
「いいよ」
そこへ彩子が、ひょっこり教室に入って来た。そして千絵の所まで来た。
「千絵、体操服貸して。朝慌てていたから、忘れちゃったのよ」
「彩子。今、あんたのこと話してたのよ」
友達が横から口を出した。
「えー、私の話。何の話?」
「2人とも、本当の姉妹みたいに、そっくりね」
「よく言われるけど、そんなに似てる」
元々の顔立ちは違うが、髪型が同じな上、一緒に住んでいるので表情、笑い方も似てきたから似ているように思えた。
「千絵が大学受験しないって言うのよ」
「どうして?」
「居候だからって遠慮してるのよ」
「お金のことは心配しなくていいのに」
「彩子の家は、お金持ちだからね」
「それはママに言っとくよ。よれより体操着貸して」
彩子は友達と話ししていたが、彩子の方に向き直り体操着を借りると、急いで教室から出て行った。