5節・3P


 千絵はテストが終わっても家で勉強していた。

「コンコン」

「はい」

 ドアが開き、彩子が入って来た。

「あ、勉強してたのね。もうテスト終わったのよ」

「何?」

 千絵は笑顔を見せずに、彩子に冷たく言った。

「トランプしようと思って。でも勉強しているなら、今度でいいよ」

 千絵は元気がなかった。

「あー、この服いつ買ったの?」

「小遣い貯めて買ったのよ」

 ハンガーに3着掛かっている服を見て、彩子が言った。

「ちょうだい、これ」

「えー!ダメよ」

 彩子は服も沢山持っている。それなのに、千絵は3着しかなく、小遣いを貯めて、やっと買った服だ。それを、簡単にちょうだいと言う事に、腹が立った。それだけ言うと、彩子は部屋から出ていき、暫くすると、戻ってきた。

「これ、あんた欲しいって言ったのあげる」

 彩子は自分の服を持ってきて、ベットの上に置いた。

「そんなこと言ったっけ?」

「この前言ったじゃない。これと交換して」

「ダメよ。まだ一回しか着てないのよ」

 彩子は強引に千絵の服を持っていった。いつの頃からか、彩子は千絵の物を欲しがるようになった。彩子が出た後、千絵は泣いた。居候している立場なので強い事が言えず、いつも負けている事が悔しかったのだ。


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