3節・5P


 千絵は毎日のように病院に通い、ママに会った。夜まで、ママとは、いろんな事を楽しく話し、終始ニコニコしていた。

 そして1ヶ月が過ぎ、千絵が授業を受けていると、先生に呼ばれた。

「急いで病院に向かって。病室でお母さん亡くなったらしいの」

 先生にそう言われると、千絵の目から一気に涙が吹き出した。千絵は教室を飛び出すと、泣きながら、病院に走った。突然のママの死を信じる事が出来なかった。

「ママ、すぐに退院って言ったじゃない。昨日まで、あんなに元気にしてたのに!」

 涙で前が見えない。病院は学校から、そんな離れていないのに、涙で前に進めなくなった。

 病院に着くと、ベットの上でママは横たわっている。そばではパパが既に来ていて、泣いていた。千絵はママの死体に近づいた。

「いや、生き返って、ママ、目をつむっているだけでしょ」

 周りを気にせず、ママを揺すったりし、激しく泣きじゃくった。看護婦が止めるが、今までに見せたことのない力で看護婦を振り払い、ママの死体に抱きついた。

「ママ、もうすぐ退院って言ったじゃない。どうして死んじゃったの。私を1人にしないって言ったじゃない。私はどうやって生きたらいいの。ママ起きて。ディズニーランドなんかいいから、ママと一緒に入れるだけでいいのよ。起きて。私を見捨てないで」

 千絵は異常なくらい激しく泣いて、冷静さを失っていた。看護婦が止めに入るが、自分がもし11歳のときに同じ立場だったらと考えると、涙を抑える事が出来ず、一緒に泣いた。その横でパパも静かに泣いていた。


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