1節・3P
部屋に戻ると、すでにテーブルには料理が並べられていて、3人が静かに座って待っていると、すぐに仲居さんが、やってきた。残りの料理を持ってきてくれ、七輪の上には伊勢エビが1人一匹載せられてあり、その七輪に火を付けてくれた。
刺身にも伊勢エビがあり、他にアワビ、カニ、マグロ、ヒラメなど盛りだくさんだ。更にサザエの焼き物、茶碗蒸し、揚げ物、小鉢、果物とテーブルは料理でいっぱいになった。
「わー、すごい。伊勢エビだ。1人で全部食べていいの?」
千絵は笑顔でママの方を見た。
「えー、食べていいのよ」
仲居さんが、千絵の方を見ると優しく言った。料理はテーブルいっぱいになり、仲居さんが料理を並び終えると、部屋から出て行った。
美味しそうな料理が沢山ならんであるので、千絵はどれから食べていいか迷い、いろんな料理を口に頬張り、嬉しそうな笑顔をママに向けた。
「美味しい。ママ、こんなにお腹膨れた」
と服をめくり、お腹を見せた。
「やめなさい」
「ママ早く食べて、次は温泉に行こ」
「焦らないで、ちょっとくつろいでから行きましょ」
いくら速く食べても、全部食べるのに1時間くらいはかかった。
食事を終え、少しくつろぐと温泉に行った。温泉は男女2カ所ずつあるが、その内2階にある温泉に入った。中は広く、1つの大きな湯船に、4つの小さな湯船があり、人はあまりいず空いていた。千絵はお湯の中に潜ると、30秒潜って苦しそうに顔を出した。
「また、3人でこようね。私、ここ気に入った。伊勢エビも美味しいし、温泉もいいし、全部いい」
「また、こようね」
「外にも何かあるよ」
「あれは露天風呂よ」
千絵は走って露天風呂に向かった。ドアを開けると、涼しい風が入ってきて、その先には石で囲まれた露天風呂があった。ドアを閉めると勢いよく露天風呂に飛び込み、飛び込んだ勢いで、お湯が飛び跳ねた。千絵は静かにお湯に浸かっていると、露天風呂を覆う半透明の仕切に町の明かりが映っているのが見えた。露天風呂から出て、手すりから身を乗り出すと、町の明かりが見えた。
「わー、綺麗」
町の明かりがぼんやり光っていた。