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   22

 

 早苗が家に帰ってから3日が経った。何でも乗り越えると言ったが、父と一緒に暮らす事は大変だった。でも広瀬との約束なので、辛くても乗り越える気持ちで頑張っている。

「広瀬君どうしてるかな?」

 そればかりが脳裏をよぎる。1日の大半を部屋でボーと過ごしていて、学校も休みがちなので、退学になってしまう。

「みんなどうしてるかな?もう私の事忘れてしまったかな?」

 そう考えているとため息が出た。

「お父さんが違っていたら、私の人生も違っていたと思う。今頃、学生をエンジョイしていたかも知れない」

 そう考えると、この苦しい人生が嫌になってくる。

 

 広瀬も学校に行くものの、何か心の中がポッカリ抜けたような感じがし、少し前の幸せだった頃を思い出すと、全然違う事に悲しくなってくる。もう早苗と別れてから3日になるけど、会う事も出来ないし、連絡も取れない。

「どうしてるかな?」

 そう考えると、ため息が出た。

 広瀬は授業に身が入らず、ボーと聞いているだけだ。

「お前、大丈夫か?早苗さんが居ない事が相当ショックみたいやな」

 関洋一の言葉にも返事を返す意欲がなく、横でため息を吐いていた。

「広瀬と早苗さんをくっつける、何かいい方法はないのか?」

 井上勇二が関洋一に話しかけた。

「俺たちの頭じゃ、何もいいアイデアは浮かばんで!」

「でも、このままじゃ、広瀬も早苗も可愛そうになってくる」

「ほんま、見とられへんな」

 2人ともため息をついた。

 

 広瀬は家に帰っても、早苗の事が頭から離れず、ボーとしている。

「せめて連絡が取れればな?」

 そう思った瞬間、いいアイデアがひらめいた。

「そうだ、だめでもともと携帯に連絡してみよう。もしかしたら連絡取れるかも知れない」

 そう思うと元気になり、早速、早苗に電話をかけた。呼び出し音が聞こえてきて、心が浮き立った。呼び出し音が2回、3回となったが出ない。10回、20回となっても出ない。

「やっぱり無理か」

 そう思いながら、電話を切り、ため息を吐いた。心が浮き立った分、また落ち込みは激しかった。

 ボーと天井を見上げていると、ある事を思い出した。

「そう言えば、早苗さん沖縄に行きたいって言ってたな。2人で沖縄に行けたら、どんなに幸せか」

「沖縄はもう海開きしてるのかな?でも、もう真夏だろうな。晴れ渡る空と、真っ青な海、綺麗だろうな」

 そう思うと沖縄の映像が脳裏を駆けめぐり、2人で水着で砂浜を走り、泳いでいる姿が浮かんだ。

「行きたいな沖縄」

 

 朝いつものように、学校のカフェで5人は集まって、コーヒーを飲んでいた。広瀬は相変わらず元気がない。

「元気出してよ」

 小泉絵美が心配そうに言った。

「そうよ。早苗さんの事は忘れて、もっと私たちの事も見てよ」

 しかし広瀬は、すぐには元気になれなかった。早苗との楽しかった日々が脳裏から離れないのだ。

「もう早苗は学校やめたん違う?こんなに来ないという事はやめたんかもしれんで」

「早苗さんの事は忘れて、楽しく過ごそ」

「うん」

 みんなの励ましに、少し返事をしたが元気はなかった。

「広瀬を見てると、俺たちまで暗くなるで」

 

 早苗は相変わらず、部屋に閉じこもり、広瀬の事を考えていた。

「やっぱり私たちは一緒になれなかったのね。このまま自然消滅か?」

 会えない日が長く続くに連れ、段々広瀬の事を考える時間も短くなっていき、広瀬と過ごした楽しい日々も遠い昔のように感じられてきた。

「広瀬君だけが人生じゃないのかも知れない。私には相応しくなかったのかも知れない」

「よく考えると、お父さんも私が憎くて怒っていたんじゃない。私の結婚相手を選んでくれるって言ってたし、そう言う人生も悪くないかも知れない」

 そう考えていると、父に反抗していたのも自分の我が儘のように感じられてきた。

「なんでもっと、お父さんの気持ちを判ってあげれなかったのだろう」

 冷静になると、お父さんの気持ちも分かるようになっていき、父に反抗している自分が馬鹿らしくなってきた。そして会えなくなってから10日が過ぎた頃から、段々、広瀬の事を思い出さなくなっていった。

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23へつづく