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    17

 次の日、昼間学校に行き、夕方2人でスーパーで買い物した後、買い忘れた物があると広瀬1人だけがスーパーに戻った。

 早苗は先に部屋に戻り、1人でいると退屈でしょうがない。一緒に行かなかったことに後悔していた。しかし、この後悔が、この先どんどん大きくなっていった。

 30分経っても、1時間経っても帰ってこないので、おかしいと不安が膨らんできたのだ。

 早苗は家を飛び出して、スーパーの方に走ったが、広瀬の姿は見あたらない。スーパーに行き、店の中を探したが居なかった。そして、どんどん不安は大きくなっていった。

「どうしたのかしら?」

 自分の光である広瀬が居なくなると、早苗は希望を失ってしまう。今まであんなに幸せだったのに、また一瞬にして不幸が襲いかかったのかと心の中は闇に覆われた。家族のもとから離れ、そして広瀬が居なくなると、この先どう生きていいか判らない。不安な気持ちが、どんどんのしかかってきた。昨日までの幸せとはうって変わって、心の中は真っ黒な雲に覆われ、頭の中は真っ白になった。子供の頃から幸せに包まれた状態で家に帰ると、厳格な父に一瞬にして幸せを奪い取られた経験を何度もしているので、またかと言った感じだ。

「やっぱり私は幸せにはなっては行けないんだ。やっと幸せになれる兆しが見えてきて、不幸から脱出したかのように思えたのに、また一瞬にして不幸に引きづりこまれた。やっぱり幸せにはなっては行けないんだ」

 肩から重りを吊り下げられたような重い気持ちになり、広瀬のアパートに戻った。

「もしかして帰っているかも知れない」

 そう願いながら、家路をトボトボ歩いた。しかし家に帰っても、帰ってきた形跡はない。そこで何かあったと、確信を持った。

 早苗はアパートで1人で、電気も付けづに、打ちひしがれていた。

「私のせいだわ。私と付き合った為に、広瀬君にも不幸がやってきたんだわ。やっぱりあの時別れとけば、広瀬君にこんな迷惑はかからなかったのに」

 そう言いながら自分を責めた。ベットに横になり、涙でシーツは濡れ、不安がどんどん大きくなってきた。

 

 広瀬が帰ってこなくなってから数時間が過ぎたとき、アパートを激しく叩く音がした。

「早苗さん、おるか?」

 早苗はベットに横になって寝てしまっていたが、その激しい音で目が覚めた。時計を見ると夜の9時だった。

「早苗さん、おるか?」

 もう一度ドアを激しく叩く音がした。その声の主は関洋一だというのが判った。慌てて玄関を開けると、血相を変えた関が立っていた。

「広瀬が倒れて、救急車で運ばれたんや」

「えっ!」

 早苗は悪い事態を予想はしていたが、半分は何もなく広瀬が帰ってくることを期待していた。しかし悪い方の予想が的中し、早苗の顔は真っ青になった。

「説明は後でするから、すぐに病院行こ」

 そう言われると早苗は慌てて家を飛び出した。

 アパートの下には関洋一の車が止まっていて、それに早苗は乗り込んだ。早苗の表情は真っ青で、何が何だか判らないと言った感じで、目は一点をボーと見つめていた。

「広瀬の携帯のメモリーから、みんなに連絡が入ったんやけど、早苗さんには何度連絡しても繋がらなくって。それでもしかしたら広瀬のアパートに居るん違うかって」

 早苗は関の話を、ポカーンと聞いていた。

「あいつ元々、テンカンの症状があって、さっきも泡吹いて倒れてたって通報があって、救急車で病院に運ばれたらしい。それで広瀬の携帯から、俺たちに連絡が回って。だからみんな病院で待っているから」

 早苗は、みんなもいると言うことを知ると、少し安心した。

「それで、あの。広瀬君は治るの?」

 早苗は怖々聞いた。

「医者の話では、一晩もすればよくなるって言うとった」

 それを聞いて、早苗は安心し、真っ青だった顔にも血の気が戻った。

「よかった〜」

 早苗はホッとした表情を浮かべた。

「今は、まだ意識戻ってないけど、点滴しとうから」

「うん、わかった」

 

 病院のガレージに車を止めると、2人は急いで広瀬のいる病室に向かって走った。夜9時を過ぎると病室は暗く、静かだった。そこに2人が走る靴の音だけが響いた。関洋一が走る後を、少し遅れて早苗が追っかけた。病室のドアを開けると、小泉絵美、芝田美幸、井上勇二が一斉に扉の方を見た。

「早苗さん連れてきた」

「良かった。見つかって」

 3人はホッとした表情を浮かべていた。関に続いて、早苗は少し不安そうな表情を浮かべながら病室に入ったが、みんな揃っているのを見て、少し表情はやわらいだ。

「まだ意識戻ってないけど。多分明日の朝には意識戻るらしいから」

 小泉絵美の説明を聞きながら、早苗は広瀬のそばまで寄った。

 広瀬は意識を失い、腕に点滴が打たれている姿を見て、悲しくなってきた。早苗は静かに、点滴を打っている腕と反対の掌を握った。

「戻ってきて。戻ってきて」

 強い気持ちで、愛情を込めて、広瀬の手を握った。

 

 その後も、早苗は一言も発することなく、目覚めない広瀬を暗い表情で、ジーと見ていた。

「俺たち、そろそろ変えるから。早苗さんはどうする?」

 夜中の12時になったときに関が言った。

「私は、ずっと居ます」

 静かに言った。

「うん。じゃー、明日の朝、また来るから」

 絵美がそう言うと、4人は立ち上がり、病室を静かに出た。

 早苗は1人取り残されると、寂しくなり、目を覚まさない広瀬を見ていると、悲しくなってきた。

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18へつづく