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 いつものように授業が始まる前に6人はカフェに集まったが、まだ早苗は来てなかった。

「早苗さん、来ないね」

 芝田美幸は言った。

「なんか最近、早苗さん変ね」

「そう時々、暗い表情浮かべてる」

「そうそう、昨日も授業中、泣いていたみたい」

「泣いていたの?」

 小泉絵美の言葉に井上勇二は驚いた表情を浮かべた。

「お前、なんかしたんちゃうか?」

「僕は何もしてないよ」

 関洋一の言葉に広瀬は反発したが、広瀬が何かするようなタイプではないのはみんな知っている。

「どうしたのかしらね?」

 5人の間には、暗い空気が流れた。そして、この日、早苗は学校には来なかった。

 授業が始まっても、広瀬は早苗の事が心配で、上の空だった。

「昨日、居酒屋で、あんなに楽しそうにしていたのにな。飲み過ぎたのが悪いのかな?でも最近、暗い表情しているときがあるし」

 ボーと考えていると、段々心配になってきた。隣に座っていた関洋一が、広瀬の表情を見て話しかけてきた。

「早苗さん、どうしたんやろ?風邪かな?」

「もうすぐ夏なのに風邪はおかしいん違う」 広瀬は、ボーとして答えず、変わりに井上勇二が答えた。

「わからん」

 広瀬は下を見つめたまま、ボソリと答えた。

「あまり気にしなくても、明日また来るよ」  関洋一は、そう明るく励ますと、また授業に集中した。

 広瀬は10分くらいボーと下を見て、考えていたが、おもむろに携帯を取り出して、メールを打った。

「風邪でもひいたのか?お見舞い行こうか?」 そう入力して、送信した。そして考えるのをやめ、授業に集中した。とわ言え、早苗の事が心配で5分おきに携帯をチェックするが返事がない。

 

 早苗は部屋でボーとしていた。何もしたくない、無気力な感じでボーとしていた。

「こんなに悩み苦しむなら、いっそ別れた方が楽かも知れない」

「でも別れると学校で気まずいし」

 5分ほど天井を見て、思考を巡らした。

「もう学校に行かなければ、会う事もないし、このまま自然消滅すればいいんだ」

 そう思いながら、早苗の目からは涙が流れていた。

「もう、これで終わりにしよ。所詮、私の人生は、こんなものよ。幸せを望むから行けないのよ」

 不幸ばかり続く人生に、自分を卑下していた。

 父に怒られて、落ち込んで、泣いて、泣く涙も枯れてしまっている。考える事も、動く事も嫌で無気力になり、食欲も出ず、朝から部屋に閉じこもりっぱなしだ。心配した母が部屋に入ってきた。

「朝ご飯作ったけど食べない?」

「今、欲しくない」

 母は無気力になった娘を見て、暫くしたら、また明るくなると思い、暫く様子を見ようと思った。

「テーブルに置いておくから、お腹空いたら下りてきて」

 そう言うと母は部屋を出て行った。

 そこに携帯の着信音が鳴った。無気力になった早苗は携帯を取りに行くのも億劫だったので暫くほっておいた。5分後、誰から来たのか気になったので寝ころんだまま、腕を伸ばし、そのまま携帯をとった。メールを開くと、広瀬からだった。別れようと思っていたので、少し嬉しいような、気まずいような感じがした。

「返事、なんて書こう?」

 そうやって思考を巡らし、ボーとして、また思考を巡らしたが何も考えが浮かばない。

「もう死にたい。考えるのをやめにして死にたい。そうしたら、もう悩む必要ないのに」

 そして5分、10分と天井を見て考えていると、自然と眠ってしまった。

 

 広瀬は、昼まで早苗からのメールの返事を待ったが、とうとう返事は返ってこなかった。心配になった広瀬は早苗の家まで行く事にし、早苗の家に向かっている間中、心配で早苗の事ばかりを考えていた。

「昨日、飲ませすぎたかな?あの時、止めるべきだったかな」

 

 早苗の家に着きチャイムを鳴らすと母が出てきた。

「初めまして、広瀬と申しますが、早苗さんいらっしゃいますか」

 そう言うと母は少し戸惑った表情を浮かべた。

「あ、ちょっと待っててね」

 そう言うと家に入って、早苗を呼びに言った。家の前で待っていると、早苗はなかなか出てこない。

「何かあったのかな?」

 広瀬は待っている間、心配がつのってくる。

 10分ほどすると目を腫らした早苗が玄関から出てきた。早苗は俯き加減で、広瀬の方を見ない。

「ごめんなさい。チョッと熱っぽくて、ずっと寝てたの」

 早苗は元気のない口調で言った。

「あっ、それならいいよ。何かあったのかと思ったから」

 広瀬は明るく、そう言った。広瀬が明るくっても、早苗の表情は暗く、広瀬の方を見ず、俯いている。

「それで熱はどう?」

「うん・・・もう下がったみたい」

 早苗は言いにくそうに答えた。

「それなら気分転換に少し外、出ない?」

 広瀬の言葉に促されるように、早苗はしょうがなしに出かけた。

 

 2人は近くのカフェに入り、コーヒーを無言で飲んだ。早苗は相変わらず、暗い表情を浮かべていて、何かあったことは察しがついているが、広瀬は上手く聞き出せず時間だけが流れた。

「みんな早苗さんの事、心配してたよ」

 広瀬は明るく言った。

「・・・」

 早苗は何て答えていいか判らなかった。

「何か元気ないね?」

「うん。まだ少し熱があるのかな」

 早苗は普段、嘘は付かないが、広瀬を心配させないように嘘を付いた。そして、また暫くの沈黙が続いた後、今度は早苗が静かに喋った。

「私、学校やめようと思って」

「えー!」

 突然の言葉に広瀬は驚き、早苗の顔を見たが、早苗は相変わらず暗い表情を浮かべていた。

「どうしてなの?」

「私、あの学校合わないみたい」

「でも、そんなに簡単にやめるって決めていいの?」

 早苗は暗い表情をするばかりで、それ以上何も答えなかった。

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8へつづく