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 2人はめでたく六甲大学に受かり、3ヶ月が過ぎていた。大学と言う自由な生活を送るようになり、千絵も少し明るさを取り戻してきていた。大学生活が、思っていた以上に楽しいのだ。友達と楽しく話ししたり、お茶に行ったり、そう言う普通の生活が楽しかった。そして千絵にとって不幸ばかりは続かなかった。幸せがやってきたのだ。

 

 千絵は授業を終え、校門を抜けると、背中に背負ったリュックサックを揺らしながら、校門の前の坂を走り下りていた。リュックサックを揺すりながら、走る姿は、かわいらしかった。

 この日、千絵は妙に喜んでいた。昔の自分に戻れるのではないかと言う期待感で、笑顔になっていた。そして、そんな矢先に幸せが訪れたのだ。

「お姉さん何か落としましたよ」

 坂を下っていると、男の人に声をかけられ、千絵は立ち止まった。後ろを振り向くと男の人が、ハンカチをもって立っていた。喜んで、走っていたので、ポケットから落ちたみたいだ。

「あ、すいません」

 明るく言うと、男は追っかけてきてくれ、手に渡してくれた。男は、かっこよく、爽やかなマスクに、カールした髪、目のパッチリした人だった。薄手の白のジャケットを羽織っていて、爽やかに映った。

 男からハンカチを受け取るとき、目が合い、見つめあった目を暫く、離すことが出来なかった。

「素敵。こんな素敵な人が、うちの大学にいたのね」

 心の中でそう言うと、目はハートマークになっていた。

 

 家のソファーでくつろぎながらも、男の事が脳裏から離れなかった。

「お姉さん何か落としましたよ」

 と男の言葉を何度も復唱して、照れていた。あのときの、見つめ合った瞳が脳裏から離れない。

「これこそ大学生活なんだ。やっぱり大学に行って良かった」

 男が行ってしまった後でも、千絵はいつまでも喜びを噛みしめていた。

「今度いつ会えるかな?」

 今度大学で会えるのが待ち遠しくてたまらない。

 家のリビングで座っていてもニコニコしていた。彩子がテーブルに座ってジュースを飲んでいたが、そのときもニコニコしていた。そんなとき、ジュースを持って彩子が近づいてきた。

「何かいいことあったんじゃない?」

「ないわよ」

「あったでしょ?」

「ないわよ」

「あったでしょ?」

「ないって」

 彩子には暫く内緒にしていたかった。こんな素敵な人が同じ大学にいたってことを、まだ自分だけのものにしていたかったのだ。

 布団の中に潜ってからも、男の事が脳裏から離れなかった。普段はパパの事ばかり考えているのに、その日はパパは一度も登場しなかった。

「あの人、何の学部なんだろう。何年生かな?」

「どこに行くと会えるんだろう?」

「明日、探して見よ」

「私にも、ついに春が来たのね。今まで死なずに生きてきて良かった」

 そう思うと、今度はうれし涙を流した。

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8へつづく